11.3 英語の勉強法:リスニング/英作文
更新日 2021年6月6日
⑤リスニングはシャドーイングが効果的
受験にリスニングが必要な人は、ある程度長文読解をこなしたら、リスニングに入ります。
使う問題集としては共通テストのリスニング問題や、志望校の二次試験にリスニングがある場合は志望校過去問を使うのがいいと思います。
リスニングといっても、英文の長さや問題の種類が様々なので、実際の試験問題を想定するのが一番近道です。
実際、難関大に合格した人もリスニング専用の問題集はあまりこなしていませんでした。
(共通テスト過去問や二次試験過去問の演習をやったという人が大半でした)
リスニングのレベルアップには『シャドーイング』を強くオススメします。
『シャドーイング』とは、英語を聞きながら、そのすぐ後を追うように声に出してマネすることです。
人間は自分が発声できない音を、認識することはできません。
うまく発声できないフレーズは、聞けないフレーズでもあるということです。
逆に言えば、発声できれば認識できます。
<シャドーイングのやり方>
- まず試験だと思って本気で聞いて解く
- 1回目:シャドーイング
- 2回目:シャドーイング(このとき聞けない音を頭の中で覚えておく)
- 3回目:スクリプトを見ながら聞き、聞けなかった音の箇所がどんな文章だったかをチェックする
- 4回目:聞けなかった箇所を中心にシャドーイングで確認する
シャドーイングは、いきなり全てをマネして発声できなくても構いませんので、できる限りで発声してみます。
2,3回繰り返せば徐々に発声できる音が出てくると思いますが、どうしても発声できない箇所が出てくると思います。
「どうしても発声できない箇所」というのは「音として認識できていない箇所」ということです。
聞けなかった音はどちらかのはずです。
- そもそも知らない単語/フレーズ
- 連続音
そもそも知らなかった単語/フレーズは、リスト化して覚えます。
そして聞けなかった音には『連続音』も多いはずです。
『連続音』とは、前の語の子音と後ろの語の母音がくっついて発音されることです。
<連続音の例>
- have a:ハヴァ
- make her:メイカー
- First of all:ファストヴォール
連続音は自分が発音できるようになると、聞きやすくなります。
10~20文ほどの長文を繰り返しシャドーイングしたら、かなり連続音に慣れるはずです。
なお『ディクテーション』という聞き取れた単語を紙に書いていくリスニングの勉強法もありますが、それもアリだと思います。
ただしディクテーションは書くのに時間がかかるので、時間が無い人はシャドーイング中心がいいと思います。
なお「英語を聞き流すだけ」は相当耳のいい人以外はほとんど意味がないです(洋楽をよく聞いている人が英語がしゃべれるようになっているかというと、ほとんどのケースでそんなことはないと思います)
⑥英訳・英作文はカギとなる文法を押さえる
二次試験に英訳・英作文がある人は、英文法や長文読解がある程度こなしたら英作文(英訳)に入ります。
参考までに難関大に合格した人が使った英訳・英作文問題集を挙げますが、英訳の問題自体があまり出ないので、どれも使用率は低めです。
英作文(英訳)は、まずカギとなる文法を抑えます。
多くの英作文問題は「ここをちゃんと訳せよ」と意識するべきポイントが含まれたものになります。
どうしても英訳・英作文の点が伸びない人は「こういう日本語はこういう英文にする」というパターンをたくさん覚えてしまうのが、もっとも確実です。
単語などが変わっても、カギとなる文法さえ使いこなせれば類題にも対応できるようになります。
100文、200文ほどの英作文(英訳)をマスターすれば、かなりの問題に対応できるようになると思います。
採点者からすると、三単現、単数形/複数形、時制は分かりやすい減点要素です。
日本人は伝わればいいじゃんと思いますが、ネイティブスピーカーは信じられないくらいうるさいです。
単数形/複数形が違うだけで、時制が間違っているだけで、必ず訂正されます。
基本をおろそかにせずに、三単現、単数形/複数形、時制をミスなくしっかり書く練習をします。
なお、京大などの少々こみいった日本語を訳す際には、文を分解したり、言い方を変えたりして、とにかくシンプルな日本語に直してから訳すのがポイントになります。
英語を書き始める前に、原文の日本語を分かりやすいシンプルな日本語に変えるところで勝負がつく、といっても過言ではありません。
⑦自由英作文はシンプルに
単語/熟語、文法、長文読解をやっていればいつか自由英作文ができるようになる、と思っていませんか?
読むのと書くのは全く別物で、もし志望校に自由英作文がある場合は、専用の対策をする必要があります。
自由英作文のコツは以下です。
<A. 文章の方を決めてしまう>
これは単に受験対策というだけではなく、英語圏の子供が作文(エッセイ)が学ぶときも全く同じです。
基本の構造は長文と同じで以下です。
<B. 主張をシンプルにする>
日本語はなぜか複雑な構成が良い文章と言われますが、逆に英語はシンプルである方が好まれます。
「Bもいいけど実はA」みたいな複雑な構造はいりません。
「Aがいいです。なぜならAはXXの点で優れています。例えばXXのときはAの方がいいですよね。だからAがいいです」のようにしつこく主張をサポートする情報を並べます。
洋書を読んだことがある人は分かるかもしれませんが、洋書が分厚いクセに書いてあることは単純だな、同じことの繰り返しだな、と思うのはこれが理由です。
日本人からすると「小学生レベルだな」と思うぐらい思いっきり主張をシンプルにしちゃいます。
関係代名詞なども無理に使わなくて大丈夫です。日本人は大好きですが、thatとかwhichが何度も出てくるのは英語では好まれません。
<C. 使うフレーズを決めておく>
どれだけ熟語と文法を覚えても、それを英作文で使うのは別物です。
うろ覚えのフレーズを無理に使わないようにします。
自由英作文は基本的に減点法で、高度なフレーズを使っても加点されませんが、間違ったフレーズを使うと減点されます。
あいまいなフレーズを1000個覚えるより、確実に使いこなせるフレーズを100個覚える方が点につながります。
したがって使うフレーズを決め、そのフレーズを使って書く練習をして、体に染み込ませます。
<D. 基本文法に気を付ける>
採点者からすると、三単現、単数形/複数形、時制は分かりやすい減点要素です。
日本人は伝わればいいじゃんと思いますが、ネイティブスピーカーは信じられないくらいうるさいです。
単数形/複数形が違うだけで、時制が間違っているだけで、必ず訂正されます。
基本をおろそかにせずに、三単現、単数形/複数形、時制をミスなくしっかり書く練習をします。
<添削は受験英語に慣れている人に頼む>
自由英作文を勉強しようと思ったときに一番困るのは『採点』です。
せっかく自分なりに自由英作文をしても、合っているのか分からなければ改善のしようがありません。
ですからまずは採点してくれる先生を探します。
塾/学校の先生などの身近な人をあたり、もしいなければZ会などがいいと思います。
ただしネイティブスピーカーは自然な表現にこだわる傾向があるために、過度に直される恐れがあります(本当の意味での英語学習としては重要なのですが)。
なのでできれば受験英語に慣れている人に頼むようにします。
本コラムのまとめ
- リスニングはシャドーイングで鍛えるのがオススメ。
- 英作文はカギになる文法を抑えつつ基本は解答を覚える。
- 自由英作文は、文章の型を決め、主張をシンプルにし、使うフレーズを決めて、基本文法に気を付ける。